仕事で感情、動いてますか?-「ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門」を読んで-

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ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門」の著者、原野守弘さんのお話を初めてうかがったのは、今から10年ほど前です。

宣伝会議クロスメディアについての連続講座の中でお話を伺う機会があり、そこでリカちゃんの40周年キャンペーン「Licca World Tour」について知り、とても衝撃を受けました。このキャンペーンは原野さんがリカちゃんを古臭く感じ、その理由がリカちゃんのイメージが、現代のお母さんが思い描く娘の将来像とずれているところにあるのでは、と気が付くところからスタートします(リカちゃんを、将来は専業主婦というイメージから、意志を持った一人の女性というイメージに変える)。

 

インサイト」という言葉を知ったばかりだった私は、これぞインサイト!と感動し、ファンになり、その後の原野さんの作品を見続けてきたのですが、切れ味の良さとともに、どの作品にも共通して、受け手に対するあたたかい目線、それでいてベタベタしすぎず見守るような目線が含まれていて、この絶妙な立ち位置がとても好きだなと感じていました。

 

本書には、原野さんが作り手として、何を大切にし、どこを見て、どんな気持ちでいるかが書かれていて、その詳細はぜひ、読んでいただきたいのですが、私としては、これまで感じていた原野さんの立ち位置の理由がすごく納得できましたし、つくるという行為の中で、こんなに感情が動いているんだなあと、あらためて感動しました。

 

本書はクリエイティブになじみが薄い人、仕事でロジカルな部分のほうを大切にしている人にも、読みやすく書かれています。仕事においても個人的な「好き」という感覚は大切で、でもそれには市場的なランクがある(プロのクリエイターは市場的なランクが高い)、と原野さんは書いています。アートとサイエンス(ロジック)の文脈で、この部分に触れた本は、少ないのではないでしょうか。だからこそ、自分の「好き」を意識して、磨いていく必要があるし、それはどんな仕事にも、また、相手との関係性構築みたいなところにも生きてくるのではないかと感じました。仕事では感情を使わないことにしている人こそ、ぜひ読んでもらいたい1冊です。

 

私も、技術にフォーカスしすぎると感情を置いていきがちです。あらためて意識しようと思いました(清水)。

 

↓本を読んだ方はこちらのサイトもぜひ。

introtocreativity.com

 

#ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門 #原野守弘