清水幹太さんのブログから、これからの世の中で必要とされる力を考える

みなさまこんにちは。清水葉子です。

12月も半ばとなり、新年を迎える準備に加え、

学校の先生方は入試の準備にお忙しい時期と存じます。

私も気持ちだけは焦る日々を過ごしているのですが、

先日クリエイターの方々が多くシェアされていたあるブログを見て、

とても感銘を受け、その方の過去のブログもついつい読み込んでしまいました。

 

それが、こちら。PARTY NY所属のテクニカルディレクター、清水幹太(Quanta Shimizu)さんが、新しい会社BASSDRUM(ベースドラム)を設立されることを告知されたブログです。

 

www.cbc-net.com

 

 

PARTYという会社は以前から存じ上げていまして、面白いことを次々と行われるかっこいい会社だなあと思っていたのですが、その立ち上げメンバーである清水幹太さんについては、デジタルやプロジェクションマッピングに詳しい方が立ち上げメンバーにいらっしゃるなあ、という知識しかありませんでした。

 

今回の清水さんのブログの中で、テクニカルディレクターというお仕事の具体的内容、また、ディレクターに必要な能力について、詳しく解説をしていただき、また、Webで作品を見せていただき、お仕事について、また、お人柄についても詳しく知ることができました。

 

そこでの内容が、未来の働き方や求められる力につながると感じましたので、言語化を試みたいと思います。

 

ブログでは、テクニカルディレクターの仕事内容の紹介の中で、企画段階から技術のことが分かっているメンバーとしてテクニカルディレクターが入る効果、求められる技術にみあった技術者を連れてくる能力について触れた後、テクニカルディレクターのもうひとつの役割を「翻訳」と定義されています。「企画屋さんの言葉」を「プログラマーの言葉」にするんだそうです。

 

以下、ブログより引用

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たとえば、広告代理店みたいなところで広告企画を考えている人間と、制作会社でプログラムを書いている人間だと、仕事における「萌えポイント」というものがそもそも全然違ったりします。「自分の空想が実現して、多くの人に見て触ってもらえること」にやり甲斐を感じる人と、「チャレンジングな実装要件があって、それを動くようにする過程」に萌える人が一緒に働かなくてはならないときに、そんな二人が直接話しても、全然噛み合わなかったりします。
このへんの「企画者がやりたいこと」を「開発者が萌える仕様」に変換して目的とモチベーションを維持してものづくりを進めるのも、この「翻訳」の仕事です。
ディレクターが「ここはもっと『シュッ!』と動くようにして」みたいな指示を出してきたときに、「ここは0.4秒で30ピクセルくらいの距離をイーズアウトさせよう」みたいな感じに数値に変換して開発に伝える、みたいな文字通りの「翻訳」をするような場合もあります。」

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特に感銘を受けたのは、上記の部分でした。

広告業界にデジタルやモノづくりの要素が入ってきたのは、比較的近年のことです。これまであまり関わることのなかった、いうなれば別言語、別のモチベーションで動いてきた方達が協働するからこそ必要な翻訳作業。それを、清水幹太さんは丁寧にしてこられたのだと思います。

ブログの後半でも、清水幹太さんが言葉にされていますが、この根底にあるのは、相手の仕事に対するリスペクトです。クリエイティブ全体を取り仕切るクリエイティブディレクターが、技術者をリスペクトすることが、仕事の質を高めると、清水幹太さんが書かれていて、これは、これからの時代、全ての業界に通じることだなあと感じました。

 

広告業界だけでなく、時代の変化により、これまで関わりが無かった業界の人たちどうしが協働するケース、これからどんどん増えてくると思います。これまで大企業からのオーダーどおりの生産をしていた町工場が、発注企業の衰退により、自らデザインを発注しものづくりを行う事例などが顕著にみられる例ですが、それ以外でも、海外の企業と直接取引したり、協働する例が増えてくると思います。協働し、新しいものをつくる際に、それぞれの力を最大限に発揮するためには、お互い、相手をよく知ろうとすることと、相手をリスペクトすることであり、これからは、ディレクターだけでなく、技術者も、そういった能力や姿勢を身につけておくことが大切だと思いました。

 

加えて、状況を的確に言語化することも、とても大切です。何より、こうやってご自身の経験や役割を、業界の外の人たちにわかりやすく伝えてくれる清水幹太さんの言葉が、より多くのつながりをつくっていくと思いますし、過去のブログも、誰をターゲットに書かれているかがとてもわかりやすかったです。

 

クリエイティブには、言語化、そして翻訳ともいえるコミュニケーションの力が大切で、それはこれからの時代に生きる全ての人たちに必要とされる力なのではないか、と思います。

 

清水幹太さんのニューヨークでの体験記も、とてもわかりやすく面白いので、ご興味ある方はぜひ。

www.advertimes.com