パーソナルファブリケーションは、ものづくりをどう変えるか その5 ーまとめー

みなさまこんにちは。清水です。

「パーソナルファブリケーションは、ものづくりをどう変えるか」

という問を立てて、この3か月、アンテナをはってきました。

中間の、ということにはなりますが、いったん、まとめてみたいと思います。

私がこの問をまず立てた時は、パーソナルファブリケーションには、なんでも自分でつくれるというモノづくりマインドが育つ、自分の手でつくることの楽しさを持ち続ける、という意味が、そこにはあるのかな、程度にとらえていたのですが、もっと直接的にビジネスや社会に影響を与える流れなのだとあらためて感じました。そして個人もしくは少人数だからこそできる発想やスピード感が、今求められているのだと思います。

 

1.機械の小型化と設計図のデジタル化、インターネットがパーソナルファブリケーションを下支え

 

過去の投稿にも書きましたが、色々な機械がテーブルサイズかつ安価になったことで、大きな投資をして環境を整備することなく、費用をかけて外注することもなく、開発を進めることが可能になりました。加えて、インターネット環境の発達により、物理的に距離がある人たちとも協力しながらプロジェクトを進めることが可能になりました。

先日Hack Osaka2017で行われたピッチコンテストの登壇者も、本当に少ない人数で優れた製品やシステムをつくられている方たちばかりでした。

インターネットの発達は、例えば試作品をつくって公開し、想定顧客から直接ネット上で評価を受けるなど、安価に、早くマーケティングをすることも可能にしています。

 

 

2.オープンであることの効果とスピードの価値

 

さらに面白いのは、これら小さい単位でのファブリケーションの動きが、オープンイノベーションを加速していることです。個人や人数の少ない組織は、自前で全てを完成させるのではなく、外部と連携しながら開発を進めます。例えばデザインや設計図をデジタル化し(データとして)オンラインコミュニティで共有することで、お互いに一から設計をする手間を省くとか、プロジェクト単位での連携をすることで、状況に応じて伸縮する組織とするなどです。このような動きが、必然的に組織や技術のオープン化を促進しています。

 

これは小さな組織どうしだけでなく、スタートアップ企業と大企業の連携という形もあります。例えばシャープは、量産や安全基準のノウハウをオープンにすることで、スタートアップ企業を支援しています。お互いにメリットがあるからこその動きだと思います。

↓関連記事

【特集インタビュー】モノづくりの新たな拠点「DMM.make AKIBA」での出会いがきっかけ。シャープとスタートアップ「tsumug」の共創が生まれた背景とは。 | eiicon lab オープンイノベーションを成功に導くメディア

 

そして、小さな組織は意思決定のスピードが速い。開発を早くスタートできるとともに、開発段階でのPDCAサイクルも早く回せることが価値となり、それが業界全体にも良い影響を与えているのではないでしょうか。

 

 

3.求められる力

 

ではこのような動きの中で求められる個人の力は、どのようなものでしょうか。

A.リリースしながら改善を重ねていける力

長い時間をかけて、丁寧に仕上げてから世に公開するのではなく、短時間で仕上げて公開し、顧客の反応を見ながら軌道修正したり、可能性を探っていく力が求められています。手を動かし続ける力とも言えるでしょうか。

 

B.わかりやすく自分をプレゼンできる力

個や小単位がフラットにつながりながらプロジェクトを回していくケースが増えると、通常の組織外の人に自分もしくは自分たちのことをクリアに説明することが、うまく連携するポイントとなります。組織内であれば前提では言葉にせずとも伝わっていたことを、短時間で伝える必要があるからです。外部の協力者の共感を得るためのプレゼン力も必要とされます。

 

C.円滑にコミュニケーションできる力

Bと同様ですが、組織が小さくなればなるほど、「中の人」が少なくなります。常にアウェイを意識する?逆にどこでもホームのようにふるまう?スタンスはそれぞれで良いと思いますが、背景の違う人たちと連携する力がこれまで以上に求められます。

以前の投稿でも書いたように、背景の違う人たちとうまく連携できればイノベーションが起きやすくなります。

デザイナー+エンジニアが目標を共有したら?(BaPA卒業制作展) その3 - Arts in Schools

 

D.オリジナリティ

オリジナリティ=専門性ともいえるのかもしれませんが、学問領域だけでない専門性が求められるでしょう。専門性に加え知識や経験値を組み合わせる力、視点や着想の幅が広い、など、オリジナルを生み出す力も含まれます。

 

E.広い知識と技術

自分が考えたことを試したり、伝えたりする力も求められます。A、Bと重なる部分もありますが、自分で機械を操作する技術、モックアップをつくる、キャッチコピーをつくる、動画を編集してWebで発信するなど、その技術がプロの域に達していなくてもある程度のクオリティまでできる力がある人は強い。特に新しいものを生み出す際は業務の切り分けがしにくかったり、意図が伝えきれないことがあり、さまざまな手法を用いて完成図を描ける力があると、プロジェクトが円滑にまわります。

 

求められる力については、ものづくりだけでなく、他の分野にも十分通じますし、個が強くなるこれからの働き方を連想しました。同様に、デジタルデータ&共有、インターネットの発達による変化、オープンイノベーションの動きはもう他の業界でも起きていることですね。

 

今後はこのブログでも、特に教育現場でのそのような動きを紹介していきます。

また、このような力を育てるためにアートが果たす役割はとても大きい、と思っていますので、そのあたりもまとめていきたいと思います。

 

↓関連した過去の記事はこちらです。

パーソナルファブリケーションは、ものづくりをどう変えるか その1 - Arts in Schools

パーソナルファブリケーションは、ものづくりをどう変えるか その2 - Arts in Schools

パーソナルファブリケーションは、ものづくりをどう変えるか その3 - Arts in Schools

パーソナルファブリケーションは、ものづくりをどう変えるか その4 - Arts in Schools

信じて場に任せること―姫路市立姫路高等学校 探究活動発表会

3月25日(土)に、姫路市立姫路高等学校で行われた、探究活動発表会にうかがいました。こちらは、平成27年からスタートした「探究科学コース」で、年間を通して行われた探究プログラムの成果を発表するというものです。

 

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探究は、高校1年生は基本的にグループでテーマのもとに、高校2年生は個人で、自由にテーマを設定して、進めます。

 

兵庫県立大学、株式会社アンドがプログラム開発、運営に関わられていて、私が昨年度見せていただいた高1の授業では、アンドの小野さんが全体のファシリテーションを、兵庫県立大学を中心とした大学生達がファシリテーターとして各グループに入っていました。全体で共有されたのは、これまでとこれからの検討プロセスのみ。他の時間はチームのためにしっかりとられていたのが印象に残っています。

 

↓その時の授業の様子。全体ファシリテーター、株式会社アンド代表の小野義直さんです。

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探究について小野さんにお話をうかがったところ「僕は何もしたくないんです」という言葉がとても印象に残りました。これは、決して投げやりなセリフなのではありません。探究の主役は生徒達だから、小野さん個人としては何を探究してほしいか、というのはない。用意できるのは、安心安全な場と、考えるためのフレームで、あとは場に任せる、という方針を徹底されているんだそうです。

 

今回の発表を見せていただき、私はそれを痛感しました。

まずこちら、高校1年生の後期、国語班の発表です。

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テーマは流行語なのですが、まず最初の検証、漢詩「春望」の書き下し文とギャル語、どちらがわかりやすいか。ポスターセッションで生徒さんが読み上げてくれたのですが、ギャル語まったくわからず。。。でもこちらのほうがわかりやすいという生徒さんのほうが多いということにびっくり。

 

また、こちらは高2生の後期の探究「住みやすい町について」の中で、外国人50人にアンケートをしたとあったので、一人でどうやって?と質問したところ、海外に行った時に友達になった方数名に、SNS経由でアンケートを送り、その方の知り合いに配布、回収したものが大半だそうです。驚く私に「時代ですかね」と生徒さんからさらりと返されました。。。

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大人はつい、若い人たちにアドバイスしてしまいますが、それは大人のほうがより知っている、という思い込みに過ぎないのかもしれません。高校生に何がうけるかは、高校生のほうがよく知っているわけですし、SNSでのコミュニケーションだって長けているのかも。

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全体発表でプレゼンをした生徒さんの気づきもとても共感できるものでした。

 

「彼ら(生徒さん達)は本当に素晴らしい」というのも、小野さんの頻出フレーズです。場とそこにいる人たちを信じて、任せる。心配性でおせっかいな私には本当に難しく感じるのですが、とても大事だなあとあらためて感じました。

 

www.himeji-hyg.ed.jp

and-pj.com

方法をたくさん知っていることの強さ―船と装丁展より

先日東京の神保町で開催されていた「船と装丁」展に行ってきました。

グラフィックデザイン事務所「tobufune」の代表およびスタッフの方々が、船をテーマにした小説の装丁を、(仕事として発注されたわけでなく)自主的に行ったものです。

内部でデザインするだけでなく、絵をイラストレーターさんに発注し、それを装丁としてデザインし、用紙と印刷方法を決定印刷を発注する、という、本格的なものです。会場ではイラスト、デザインの展示とともに、実際にその装丁がかけられた小説を購入することもできました。

tobufuneさんの装丁依頼の7割はビジネス書や実用書で、残りの3割が絵本や参考書、専門書など、小説の依頼はほとんどないそうです。ならばクライアントがいなくても自分たちでつくろう!ということで、今回の展示が実現したそうです。その心意気にまず感動したのですが、さらに面白いな、と思ったのは、tobufuneの方々のデザイン力と、紙や印刷に関する知識の深さです。いくつか作品を紹介しますね。

 

まず「ドリトル先生航海記」。イラストレーターさんのコラージュを使った作品これだけでも十分楽しい雰囲気が出ているのですが、

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さらにカラフルな文字を重ねることで、よりポップで楽しい雰囲気が出ています。

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タイトル文字は手書きをトレースしたものだそうです。また、よくみるとタイトル文字は半透明でぷくっともりあがっています。UV厚盛加工という印刷方法だそうです。

 

こちらは蟹工船のイラスト。オホーツクの荒波を表現しているそうです。

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これにカラーと独特の文字を加えることで、より迫力が出ていますよね。

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そして、印刷の質感に一番驚いたのはこちらです↓

原画が、アクリルガシュという、筆跡が残るような絵具で描かれていて、それを印刷でどう表現するかというと。。。

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↓こちらです。写真だとわかりにくいかもしれませんが、ちゃんと触って筆跡が感じられるんです!

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これは、まず、紙に白のインクで筆跡を印刷した後、その上から絵を印刷したそうです。他にも、銀色紙にその下地の色も見せながらインクを重ねたり、発泡印刷という、ぼこっとしたインクののせ方をしていたりなど、本当に多彩で豊かな表現がありました。代表の小口さんにうかがったところ、国内の印刷手法として、紙と印刷方法の組み合わせで100種類くらいはご存知ということでした。イラストレーターさんについては聞き忘れましたが、こちらもたくさんの選択肢をお持ちなのでしょう。

2次元での表現はもちろん、それにどういう技術を組み合わせれば、イメージに近いも

のができるのか、その解決方法をたくさん知っていることが、tobufuneさんのプロフェッショナルなところなんだなあ、と思いました。方法をたくさん知っていることは、表現や思考を自由にしますね。

 

今教育業界ではアクティブラーニングの議論の中で、思考力、コミュニケーション力だけでなく、そこで使える知識のインプットも必要だという主張があります。まずはインプットという考え方もありますが、知識の必要性を感じてからインプットする、という考え方もありなのではないかと思います。「イメージ通りの表現」という目的があるからこそ、小口さんはたくさんの手法をインプットできるのかなあと思いました(推測ですが)。

 

↓tobufuneさんのホームページは、こちらです。

tobufune.com

「どうやってできているのかな?」と考える力の大切さ―植松努さんの講演会より

先日、社団法人ライフナビアカデミーさん主催の植松努さんの講演会に行ってきました。写真は会場の大阪市中央公会堂です。

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植松電機の社長、植松努さんは、子どもの頃からの夢をかなえるべく、自社でロケット開発をし、成功された方です。それだけでなく、子どもたちが夢に向かって生きていけるよう、全国での講演会やロケット教室を通して、それを伝える活動をされています、

「どーせむり」というのは人の可能性を奪う言葉、「だったらこうしてみたら」という言葉こそ、情報や選択肢を増やし、夢に向かっている人の背中を押すためのアドバイス。やったことがないことは失敗する、でも失敗は成功のための大切なデータだから、失敗を責めるのではなく、失敗前提で試行錯誤するというお話、とても共感できるものでした。

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私が会場に着いたのは、開演30分前でしたが、すでに演壇で準備をされていた植松さん。数多くの講演を行われているのに、こんなに一つずつ丁寧に準備をされることにとても驚きました。そして小学生の子どもと一緒に参加したのですが、子どもにも大人にもとってもわかりやすくお話ししてくださいました。

実際に聞いたほうがより深いお話が聞けると思いますが、TEDの動画も貼っておきますね。

www.youtube.com

 

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↑植松電機さんHPより。世界に3つしかないというロケットの発射実験棟。試行錯誤をしながら、自前でつくられました。今では大企業やJAXAも使用しているそうです。

 

ものづくりにずっと関わっていらっしゃる植松さん、その原体験は子どもの頃にあるそうで。植松さんの周りには、職人さんや大工さんが身近な大人として多くいて、「みんなが使っているものは全部、普通の人が作り方を学んでつくっているんだからね」と、教えてくれたそうです。また、プラモデルを買ってもらえなかった植松さんは、ペーパークラフトで車などをつくり、それがロケットづくりに生きているそうです。

 

何かほしいものがあったとき、お金で手に入れなければ買えない、ではなく、「つくり方を覚えれば自分でつくれる」と思えることって、本当に大事だなあ、と、植松さんのお話をうかがい、あらためて思いました。もちろん、作り手としてのプロは貴重な存在で、たくさんの経験に基づいた技術を、私たちは買うのだと思うのですが、「どうやってできているのかな」「自分にもつくれるかな」というマインドが、大事だと思うんです。このマインドがあって初めて、試行錯誤が始まると思うので。

先日1→10driveの森岡さんにお話を伺った際、ゲームの技術が上がりすぎて、子どもたちが自分も作り手に回れるかも、と思えなくなっている、というお話をうかがったのですが、ゲームも、おもちゃも、技術が上がりすぎて、加えて結構簡単に買ってもらえる環境があると、「どうやってできているのかな?」と思えなくなってくるかもしれないですね。なんとかそう思える環境を準備してあげたいなあ。まずは子どもにおもちゃを与えるのをやめようかな、なんて、思いました。

 

↓植松電機さんのHPはこちら

http://uematsudenki.com/

TDU-4D Lab-東京電機大学中学校・高等学校の縦割りラボ

先日、東京都小金井市にある、東京電機大学中学校・高等学校

のTDU-4D Labの発表会を見学させていただきました。

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こちらの学校では、今年度より、TDU-4D Labという探求学習プログラムを実施しています。対象学年は中2~高2で、4学年が縦割りでグループをつくり、大学のゼミのような形式で、研究を続けていくというものです(年10回実施)。テーマは実験、制作、文学、社会系など様々ですが、どのテーマにおいても、課題認識→調査→思考→まとめ表現、というサイクルが意識されています。

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東京電機大学中学校・高等学校HPより

 

4D-Labプログラムの開発は、校内で行われたのですが、その際テーマやプログラムありきではなく、生徒達が大人になったとき、どのような力を持って生きて行ってほしいかを、具体的にイメージするところからスタートしたそうです。中でも大切にされたのは視野の広さ。物事を多角的にとらえられるようにと、3Dに時間軸を足した4Dという名称が、プログラム名として採用されました。

 

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東京電機大学中学校・高等学校HPより

 

発表会当日は、予選で選ばれた10のラボに所属する中学3年生がグループでプレゼンを行いました。発表のスタイルは比較的自由で、動画を用いたり、パフォーマンスを行ったりとにぎやかなものでした。発表が得意な生徒さんも、苦手な生徒さんもいるようですが、それぞれ役割を決めてプレゼンを行っているのが印象的でした。会場はとても和やかな雰囲気で、のびのびと、自由に、発表が行われました。先生方もそれを温かく見守っていらっしゃいました。

 

また、会場からは発表のたびに多くの質問が!「こういうことは調べなかったのですか」「なぜそうなるのですか」「調査対象が偏っているのではないですか」など、なかなかするどい質問も多数。自分たちもラボをやっているからこそ、色々な角度から質問ができるのでしょうか。

そんな態度から、自分たちで主体的に研究を深めている様子がうかがえました。

 

最優秀は「歩く」をテーマにし、理想の歩き方を追求したラボと、

日本とアメリカの文化の違いを調べ、フィールドワークとして浅草でアメリカからの観光客に突撃インタビューを行ったラボでした。

ラボは次年度も続きます。この、のびのびとして、お互いを認め合う雰囲気の中で、どのように研究が展開されていくのか、とても楽しみです。

 

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パーソナルファブリケーションは、ものづくりをどう変えるか その4

みなさまこんにちは。今年の初めから、パーソナル・ファブリケーションの可能性を探求しています。探求しているうちに、スタートアップや、UXに寄り道をして、パーソナルファブリケーションという言葉の範疇からはずれかけていますが、あえてあと2回継続します。

「Fab Life」「MAKERS」に続き、読んでみたのがこちら。

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http://amzn.to/2lZeSm0

 

「メイカーズ進化論-本当の勝者はIoTで決まる」です。

小笠原治さんは、株式会社ABBALab代表。「DMM.Make」という、秋葉原にある、ものづくりの拠点の立ち上げにかかわった方です。

そんな、インターネットやファブリケーションに精通されている小笠原さんが、今の時代の「モノ」をどうとらえるべきかをわかりやすく解説してくださっています。「MAKERS」にもある、インターネット時代のものづくりの特徴、なぜ少人数、ファブレス(工場を持たない)で製品をつくることができるようになったのか。モノ時代がインターネットにつながると、どうなるのか(IoTとは何か)について、それぞれわかりやすく解説されています。

 

個人的に面白いと思ったのは第2章のモジュール化の話です。以前であれば、例えば何かをつくるのに通信システムを1からつくり、何度もテストしなければならなかったのが、今は Brue Toothモジュールを買ってきて組み合わせることができてしまう。これも、一種のオープンソースですよね。

また、ロボットがほとんどを占める工場では何が起こるのか、立地や環境などの視点からのお話しも、面白かったです。

 

デジタルファブリケーションの世界には、ものづくりだけでなく、私たちの未来の働き方が潜んでいるなあとあらためて。

 

興味を持たれた方は

「Fab Life」「MAKERS」「メイカーズ進化論-本当の勝者はIoTで決まる」の順番で、ぜひ、読んでみてください。

 

デザインとは何か?デザインを学ぶ意味は?

最近ブログのタイトルに、「デザイン」という言葉を入れることが多かったかなあ、と振り返って思うと同時に、デザインってタイトルにあったけど、ブログの中身のどこがデザインなの?という受け取り方もあるのではないか、と思ったりしています。

かっこよいレイアウトとか、素敵な色の配置も、もちろんデザインと呼ぶのですが、人の行動や何か事柄を組み合わせること、場をつくることも、私はデザインと呼んでいます。

 

感覚的に使っていたデザインの定義を、京都造形藝術大學 准教授の早川克美先生が、

【デザインへのまなざし】オンライン講座の中で、とてもクリアに表現してくださっています。今までデザインというものを身近に感じていたかたも、デザインと聞くとちょっと苦手意識が、というかたも、すごくすっきりできる内容だと思います。

 

http://gacco.org/

こちらのgaccoというサイトで、

「デザインへのまなざし 豊かに生きるための思考術」と検索してみてください

動画閲覧は、無料です。一つの動画が数分ずつなので、見やすいです。

 

 

www.youtube.com

 

講座の中では、デザインを学ぶ理由についても触れられています。

「自分の力で創造的な活動を実践できるようになる」

「既存のあたえられたものや、ことにかたよりすぎないで、自立することを目指す」

デザインを学ぶことは、自立することにつながるんですね。

この機会にぜひ、デザインについての思考の整理をしてみてください。