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パーソナルファブリケーションは、ものづくりをどう変えるか その2

書籍紹介

 

前回のブログに続きパーソナルファブリケーションについてです。前回紹介したようなFab LabやFab Cafeについて、モノづくりの楽しさや、プロトタイプをつくることの大切さは理解していたつもりだったのですが、Fabとイノベーションがセットで語られるシーンでは、まだわかっていないもやもやとした感覚を持っていました。

 

そこで読んでみたのが、

「Fab Life-デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」」という本です。

http://amzn.to/2k6mX74

 

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日本で初めて鎌倉にファブラボを立ち上げた田中浩也さんが、世界のファブラボやMITの「(ほぼ)なんでもつくる方法」を紹介しながら、パーソナルファブリケーション、デジタルファブリケーションについて、わかりやすく解説してくださっています。読みながら多くの発見があったのですが、なかでもなるほど、と思ったことを挙げていきますね。

 

■ものづくりにおけるパーソナルファブリケーションの位置づけ

まず、ひとくちにモノづくりといっても、色々なあり方があって、職人による1点ものの「民芸や工芸」、工場で型をつくって量産する「工業、製造業」などもものづくりに含まれるのですが、パーソナルファブリケーション、デジタルファブリケーションは、ちょうどその中間に位置するそうです。まず、1点からつくれるのですが、物体化するためのデジタルデータが存在するので、1点もののように、2度と同じものが作れないわけではない。でも工場で型を作って生産するように大量につくらなくてもよく、欲しい量だけつくれるという、作り方の位置づけに、なるほど、と思いました。

 

■デザイン思考との違い

もちろん、パーソナルファブリケーションは、プロトタイプの製作に適しています。考えたことを形にしてみて、修正するというサイクルが回しやすい。だからデザイン思考のプロセスに取り入れやすいと思います。ただ、パーソナルファブリケーションの根底にある考え方は以下の2点において大きく違うのかな、と感じました。

・まず1つめは機械を使って創るのはプロトタイプだけでなく、創った物そのものが実用物である場合も多いということ。形だけでなく素材選択も重要な位置づけであるということ。

・2つめに「何をつくるか」がフィールドワークやマーケティングからだけではなく、ツールや素材から「どうつくるか」を考え始めることも多いということ。発想する力とともに形にする力がとても重視されるということ。

 

■組みあわせ、使いこなすことで見えてくる新しいこと

1種類ではなく、いくつかの種類の機械、素材を使いこなしてものづくりをしたり、既製品に手を加えたり、様々な技術を持つ人が協力することによってこそ、新しい可能性が広がるということが、実例とともに理解できました。以前は無かった新しい部品、機械を既存の技術と組み合わせてみる。プログラミングや通信もその中に含めると、モノの再定義も可能になる。

 

■使い手のマインド、スタイルの可能性

一企業や個人で抱え込むのではなく、情報、ソースをオープンにし、それをどんどん進化させていくことの可能性と面白さ。そういう世界でのライセンスの再定義、機械を作る人と使う人という関係性を超え、ものづくりの機械自体が変化していくという可能性。

 

なんというか、モノの可能性を感じてもっと考えたくなりました。

 

興味のある方はぜひ、読んでみてください。