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教育とアートについての本その3 「今日の芸術」-芸術をすべての人に

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アートは特定の人でなく、どんな人にも必要だ!と、最近強く思っています。

先日もそんな話をしていたところ、岡本太郎さんの主張と似ているということで、こちらの本を紹介していただきました。

失礼ながら目力の強いおじさまという印象しかなく、岡本太郎さんの文章は初めて読んだのですが、とても共感できるものでした。

 

この本では、全編にわたり、全ての人が芸術に関わるべき、つまり、創造活動をするべきだ。ということが述べられています。

 

人はだれでも「現在、瞬間瞬間の生きがい、自信を持たなければいけない、そのよろこびが芸術であり、表現されたものが芸術作品なのです。」

 

というように、うまいとか下手とか他人の真似ではなく、自分の内側からあふれるものを表現するように、といったことも、繰り返し述べられています。

 

でも芸術は教えられるものではないそうで。

「芸術には教えるとか、教わるとかいうようなことは何ひとつないのです。ただ私はこの本全体をつうじて、あなた自身の奥底にひそんでいて、自分で気がつかないでいる、芸術にたいする実力をひきだしてあげたい」それがこの本の目的だそうです。

 

そのために、これまでの芸術の解釈、新しいとはどういうことか、今の時代(当時ですから約40年前)について、色々な角度から解説がされ、後半には子どもが芸術に興味を持ち続けるにはやり方を教えるのではなく、環境を与えるのがよい、といったことが述べられていました。その切り口や視点がとても面白くて、現代にも通じる部分がたくさんありました。

 

全てのものを前提条件なく、時に批判的に、でも真正面から見て論じることができる太郎さんだからこそ、みんなにこの自由を感じてもらいたい、型にはまらずに表現してほしい。と思われたのでしょう。そこには人に対する温かいまなざしがありました。そして、やり方を教えるのではなく、環境を与え、自分でやってみたいという気持ちになるのを待つ、というのは、人の持つエネルギーを信じているということで、芸術だけでなく、全ての学びにつながるのではいか、と感じ、そういうスタンスが、いまだに新しさを感じさせるのかな、と思いました。