「これって誰がデザインしているの?」という言葉への違和感

この半年、仕事において(時にプライベートも)かなりの時間を使ったのが、お弁当レシピサイト「N's KITCHEN」の立ち上げでした。

nskitchen.jp

個人的には料理はつくるけどそれほど得意ではなく、それについて探究する心もなかったのですが、プロジェクトメンバーに指名していただき、料理やレシピについて仕事を通して学ぶうちに、料理の楽しさに気が付きまして。今ではテレビを見ていても、買い物に行っても、本屋さんに行っても料理関係のコンテンツに反応せずにはいられないほどです。料理って楽しい、を伝えられるサイトになっていると思うので、ぜひご覧ください。

 

さて、本日の本題は、そこではなく「デザイン」という言葉についてです。

こちらのサイト、ありがたいことにたくさんの方に見ていただき、コメントをいただくのですが、直接ご紹介させていただいた時によく聞かれるのが

これって誰がデザインしているの?

という質問です。

 

このサイトの立ち上げには、複数人が関わっています。

この中の誰が、N's KITCHENをデザインしたのでしょうか。

時系列であげていきます。

(肩書をつけると説明がわかりにくくなるので、敬称略でいきます!)

 

A.お弁当レシピサイトをつくる、と決めた人

B.プロジェクトメンバーを編成した人

C.コンセプトや方向性を検討した人

D.サイトの方向性に合うレシピを考えた人

E.サイトのイメージに合った文章やコラムを考えた人

F.使いやすいサイトを検討、制作した人

G.サイトの色あいやロゴ、イラストを検討、制作した人

H.動画の構成を検討し、編集した人

I.全体の進行を管理した人

 

たぶん「これって誰がデザインしているの?」への回答として相手を納得させられるのは、FかGですが、私は本当は「全員です」と答えたいんです。

 

つまり、チームで新しいものを作る時、プロジェクトに関わる全員がそれぞれの専門をベースにデザインする力を持っていないと、チームは成り立たない。今回の立ち上げメンバーはコンセプトデザイン、プロジェクトデザイン、プロダクトデザイン、プロセスデザイン、ウェブデザインなど、全員がデザイン力を持っていたと思います。

 

新しいものをつくるということは、まだ現実に無いものをイメージし、それに形を与えていくことです。ざっくりとドローイングする力がもちろん求められるけど、それだけだと、詳細がわからないから、詳細を描き足す必要が出てくる。詳細を描き足したら、もう一回全体を見て、齟齬がないかを確認する、という作業を繰り返して繰り返して、現実化していく。そして、そのプロセスでイメージを共有するために何度も何度も話し合いを行いました。

 

デザイン=想像する+想像したものに形を与える

 

「想像したものに形を与える」部分は、一人ひとりの得意や経験、別の言葉で言うと専門性が生きてくるから、メンバー全員がデザイナーだからといって役割を入れ替わるのは難しい、ということだと思います。でも、自分の領域でこのデザインがしっかりできている人は、他の領域のこともわかるんですよね。

 

そんなことを考えながら出来上がったN's KITCHENですが、まだまだ次の段階を想像して動いていますのでどうぞお楽しみに。