世界中の美術館にオンラインで行ける!Google Art & Cultureのあるきかた
外出自粛要請が続く中、美術館にも行けない日々が続きます。そんな中、知人より教えていただいたのが、
Google Art & Cultureという、オンライン美術館です。
https://artsandculture.google.com/
こちらのサイトでは、世界中の美術館から提供されたコレクションの画像を見ることができます。美術館により、オンラインで公開している点数は違いますが、その合計点数は3万点以上だそう。スマートフォン用のアプリもあるので、ほぼ毎日、色々な楽しみ方をさせてもらっています。
美術館に何を求めてる?
もちろん、オンライン美術館は、実際に訪問するのと全く同じではありません。オンライン美術館が楽しめるかどうかは、普段、何を美術館訪問の目的としているかどうかによるのではないでしょうか。
私は、だいたい以下の3点を目的として美術館に行っています。
・新しい作品に出合うこと
・作品の筆致や形、色合いを楽しむこと
・作家の人生や目線に思いをはせること
そして作品を見ることと同じくらい、解説などの文章を読み、作家の人生やその作品にまつわる物語を知ることを楽しみにしています。
オンラインだと、さすがに筆致や色合いを楽しむには限界がありますが、
新しい作品との出会いや作家の人生については、十分すぎるほど味わえると感じます。
非常に個人的なナビゲーションになりますが、そのあたりに興味がある方向けの、Google Art & Cultureのあるきかたを、ご紹介します。
1.美術館から見る
まず、コレクションのページにいきます。ここには日本国内も含む、世界中の美術館、博物館が並んでいるので(2020年5月11日時点、実に1045の美術館、博物館が並んでいました!)、行ってみたい美術館をクリックします。
例えばMoMAからは129点が公開されています。
気に入った絵をクリックすると(例えば、アンリ・ルソーの「夢」)
作品が大きく見られ、作品情報、作家情報を見ることができます。
2.作家で検索
この人の絵をもっと見たい、と思ったら、作家名で検索をすることもできます。
アンリ・ルソーは、25点が見つかりました。
作家によっては1000点以上見つかります。これを、人気順、時系列順などに並べ替えることもできます。最近私が見つけて驚いたのは、モネの描いた波です。モネの作品は見る機会が多かったのですが、これは見たことがなかったです。
3.キーワードで検索
作家や美術館名以外にも、色々なキーワードで作品を検索することができます。
例えば、モネのように、波を描いた画家は他にいるのか?「wave」というキーワードで検索してみると、クールベも、波が主役の絵、描いています。そしてもちろん、葛飾北斎も。モネやクールベは北斎が描いた波を見た影響を受けているのかな、この時代の作家を作品の年代順に並べたら他にもに何か見つかるかな…など、色々楽しませてもらえます。
4.「トピック」から検索
トピック、というページからは、色や年代、技法などで作品を検索することができます。過去の企画展の紹介や、オンラインだけの企画もあります。特に色からの検索、お勧めです。
https://artsandculture.google.com/explore
オンラインと身体性について
Google Art & Cultureで遊んでいると、すごく不思議な感覚にとらわれます。例えば日本の美術館とアメリカの美術館が隣に並んでいて、もちろん私からは、日本国内の美術館が距離的に近いのですが、今はどちらも閉館中だから物理的に行けないのは同じで、でもオンラインだとどちらも同じように訪問できてしまう。この状況の中で、これまではすごく身体が置かれている場所に縛られていて、無意識に自分が行ける範囲から選択していたなあとあらためて思うのです。一方で、色々な国の美術館のコレクションを見ていると、同じような時代の作品があるにもかかわらず、その国らしさ、土地らしさが表れたコレクションだなあと感じます。自分が置かれている場所につながる、リアルな体験の場と、それがオンラインでつながる場、どっちもあるから面白いのかもしれませんんね。
今回ご紹介した以外にも色々な楽しみ方があると思います。ぜひ、お時間のある時に、楽しんでみてください。
#アート #アート教育