空間を選び取る力が育つ、交流の場―甲南大学 iCommons その1
みなさまこんにちは!清水葉子です。
秋が深まり、紅葉の季節になってまいりましたね。
日本の四季の中で、秋という季節が最も大学に似合うなあ、と個人的に思っています。小学校や中高と比べて、何かちょっと大人な雰囲気が、大学にはあるからでしょうか?
さてそんな大学にぴったりな季節に、兵庫県東灘区、閑静な住宅地の中にある、甲南大学に伺いました。今年2017年9月21日にオープンしたばかりの、KONAN INFINITY COMMONSを見学させていただくためです。管財部の小幡真史課長にご案内をいただきました(写真を撮り忘れてしまいました…ご多用のところ、本当にありがとうございました!)。
↓こちらがKONAN INFINITY COMMONSの入り口です。
訪問させていただいた岡本キャンパスは、文学部、法学部、経済学部、経営学部、理工学部、知能情報学部からなる、甲南大学で一番大きなキャンパスで、文系と理系の学部が同じ場所にあり、理系学部は少し北のほうに校舎があります。KONAN INFINITY COMMONS は愛称をiCommonsというのですが、文系学部と理系学部をちょうどつなぐ位置に、建っていました。
甲南大学は、2019年に学園創立100周年を迎えます。それに向けて、様々なプロジェクトが行われています。まず、2014年に、「KONAN ワンワード・プロジェクト」という、甲南大学の魅力を一言でわかりやすく表現するという取り組みが行われました。学生、教職員から広く「ワンワード」を募集し、選ばれたいくつかのワードで投票が行われました。総数3,471票という盛り上がりの中選ばれたのが、「KONAN INFINITY」だったそうです。Infinityとは、無限大という意味で、「無限の可能性を追求し、開花させる」という意味が込められています。
↓ワンワードプロジェクトはこちら。
このキーワードは、すでにホームページやキャンパス内で使用されていますが、施設名として使われたのは、今回が初めてだそうです。
↑こちらが建物入り口の表示です。100周年の100という文字と、無限大を表す∞が、よくマッチしていますね!
この場所にはもともと、6棟の建物、学友会館(学食など)、学生会館、文化部室、小体育館、能楽練習場、共同練習場があったので、課外活動をする学生、食堂を利用する学生はある程度交流はしていたそうですが、学友会館、小体育館以外の場所は、課外活動に参加しない学生にとっては、あまり立ち寄るきっかけが無かったそうです。必要とされる機能はそのまま引き継ぎつつ、より多くの学生が集う交流の場とすることがiCommonsの目指すところだそうです。また、学生がよく利用する学生部、キャリアセンターをiCommonsに移設することで、全ての学年がこちらを利用し、縦のつながりもできるような工夫がされています。
iCommonsのコンセプトを表す3つのキーワードは、
「岡本キャンパスの結節点」「オープンとシェア」「アクセシビリティー」。
全体の交流とともに、理系学部と文系学部を地の利的につなぐこと、閉じた空間はできるだけ少なくし、活動場所をシェアできること、入り口を北と東の両方に設けたり、校舎と空中通路でつなぐなど、アクセスしやすい環境にされていることが、ポイントです。
「本学は学生数9000人の中規模な大学になりますので、キャンパスもそれほど広くはないのですが、iCommonsでは文系と理系の学生等いろいろな学生が出会い、融合し、新たな発見があったり、新しい出会いの中から新しいチャレンジをしていくことを目的としています(小幡課長)」
さて、どのような活動が内包されているのでしょうか!中に入ってみましょう。
まず入り口を入ると、「アゴラ」という大階段が迎えてくれます。iCommons内の色々な場所から見渡せる、中心となる場所です。象徴的な空間というだけでなく、講演会や授業などに使いやすいつくりとなっています。
見学させていただいた際もちょうど文学部の講義が行われていました。階段から振り返ったところに210インチの巨大モニターがあり、講演資料を投影しているのが御覧いただけると思います。
階段部分には約150人が座れるということで、実際に使用されているシーンを拝見しますと、なんともちょうど良いサイズなんです。このような大空間は、大きすぎると使えるシーンが限定されますし、小さすぎてもなんだか使いにくい、オブジェのようになってしまいがちですが、ちょうど良い規模だからこそ、頻繁に利用されているんですね。
(続きます)
↓iCommonsのページはこちらです。