学校の壁を、自分たちで塗る-株式会社NENGOのワークショップ その1

カラー、色あいが人に与える影響って、大きいのではないでしょうか。明るい色の服を着ると気持ちが明るくなりますし、赤い下着を身に着けると血行が良くなる、なんて話もありますね。服だけでなく空間の色合いもそうです。自分たちが過ごす環境の色を決められたら、毎日がもっと楽しくなるのではないでしょうか。

 

今日は、そういった環境を増やす取り組みをされている、株式会社NENGOさん(http://www.nengo.jp/)の活動について紹介をしたいと思います。

 

株式会社NENGOさんは、不動産の扱いやリノベーションを行う会社で、「PORTER’S PAINTS(ポーターズペイント)」というオーストラリア生まれの水性ペイントも

 

扱われています。PORTER’S PAINTSは、誰でも簡単に自分で塗れる、シンナーの匂いがしないペンキです。また、そのカラーはなんと300色あるので、自分のイメージに近い色を選ぶことができます。コツさえつかめば子どもにも扱えます。

 

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↑NENGOさんのポーターズペイントのエリア。色合いに加え、質感も選択できます。

 

NENGOさんはこのペンキの講習会やワークショップを多く行われていますが、2015年に川崎市の宮崎小学校で行われたワークショップが、小学生を対象とし、色彩教育と組み合わせたものだったので、ご紹介します。

 

このワークショップでは、5、6年生が小学校の配膳ホール(給食を運ぶための場所)を塗ります。4グループに分かれて4階分のホールを、それぞれ違う色で塗っていきます。

 

まず、5年生、6年生を対象に、NENGOの方による授業が行われました。

 

「私と色」

授業は、「今日の服は自分で選んだ?なぜその色を選んだの?」という問いかけから始まります。色はそれぞれ与える印象が違うそうです。例えば、赤は「情熱的で活発、怒りっぽい」という印象、緑は「協力的、粘り強さ」など。

 

そして、色の心理テスト。紙に書かれた三重丸を、自分だと思いながら塗りつぶしていきます。それぞれの意味は、外側は自分以外に見せている自分、家族、仲良しのお友達に見せている自分、一番内側が、本当の自分、だそうです。色にはパワーがあるので、色を選ぶことで「なりたい自分」を楽しむことができるそうです。

 

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「みんなと色」

次に、みんなと色、について考えていきます。ここでは、自分だけでなく、ある場所に住んでいる人々やその場所を訪れる人々と色との関係について考えていきます。例えばモロッコでは青が神聖な色とされているため、町が青色に塗られていることや、ディズニーランドは場所によって色が塗り分けられ、世界観が演出されていること、地域にはそれぞれ、なじみ深い色というものがある。その色と同化するか、目立つように別の色にするかは建物の用途次第でもある、ということを、写真などを見て学びます。

 

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「学校と色」

最後に、学校が景色に与える影響を考えます。「もし学校が金ぴかだったらどうする?」という問いかけに、子ども達はざわざわ。観光名所になるかもしれないが、近所の人はびっくりするかもしれない。地域になじむ色のほうが学校にはぴったりしているのではないかという先生の意見に、賛同したようでした。

 

 

さていよいよ、配膳ホールの色を決めていきます。ここまでに学んだことを生かし、自分が好きな色だけではなく、そこを訪れた人がどう思うかや、地域との関係を考えて色のイメージキーワードを出していきます。そのあと、イメージキーワードが多かったものからNENGOさんがいくつか色を選び、提案。児童達の投票で4色を決定し、実際に塗っていきます。

 

どんな色が選ばれ、配膳ホールがどのようになったのか!続きは以下のブログをごらんください。

学校の壁を、自分たちで塗る-株式会社NENGOのワークショップ その2 - Arts in Schools

 

株式会社NENGOさん、ポーターズペイントのホームページは以下です。

www.nengo.jp

 

porters-paints.com