「自ら学ぶ力」と「探究心」を育むラーンネット・グローバルスクール。その環境とカリキュラムとは? その1

みなさまこんにちは!清水葉子です。先日、高校の新しい学習指導要領案が公開されました。小学校、中学校、高等学校については2020年から随時実践されていきますが、どの学校種においても生徒の自主性や自ら学ぶ力が重視され、総合学習においては「探究」がより重視されるようになります。では探究とはいったいどんなことをして、どんな力がつくのでしょうか?

 

そのヒントを求めて、開校以来「探究」をその教育の中心に置かれている、ラーンネット・グローバルスクールを取材させていただきました。2回に分けて、掲載させていただきます。

 

ラーンネット・グローバルスクールは、神戸市東灘区および灘区にある、3才から就学前までを対象としたバンビーナ、小中学生を対象としたフルスクール、3才から受講できるアフタースクールからなります。1996年に代表の炭谷俊樹さんを中心としたメンバーにより設立されました(フルスクール開校は1998年)。今回見学をさせていただいたのは、小中学生対象のフルスクールで、瀬戸内海国立公園六甲山地区内にある「六甲山のびのびロッジ」で主に活動が行われています。活動時間は月曜日~金曜日(小学校1、2年生は火曜日~金曜日)の8:30-15:30。阪急岡本駅近くの、岡本わくわくハウスに集合し、スクールバスで山道を登り、30分ほどかけて通学します。

※以下ラーンネット・グローバルスクールをLGSと表記させていただきます。

 

関西圏以外にお住まいの方は、六甲山のイメージがわかりづらいと思いますので、まずはホールからの景色をお見せします。

 

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この絶景!いかがでしょうか。ちなみに見学させていただいた28日は、神戸市街は全く雪が積もっていない状態でした。

 

↓のびのびロッジを南側から見たところ。私が写真を撮るために立っている場所も、生徒達の遊び場です。

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大自然に囲まれた環境で、生徒達は1日を過ごします。

 

こちらのロッジには、小学校1年生~中学校3年生まで約50名が在籍し、小学生は2学年ごと、中学生は全学年1クラスの、計4クラスに分かれています。1学年は約7名なので1クラスは2学年分の14名前後、中学生のクラスはもう少し少ない人数です。文部科学省認可の学校ではないため、インターナショナルスクールなどと同様、生徒達は公立校に籍を置き、LGSに通学しています。

 

こちらの教育の中心にあるのは、子ども達が「自ら学ぶ力」と「探究心」を育むこと。どのようなカリキュラムと環境設定でそれを実現されているのか、授業を見学させていただくとともに、代表の炭谷俊樹さん、広報の奥村尚子さんにお話をうかがいました。

 

基礎学習でも個別に学びを進める時間が多い

LGSのカリキュラムでは、日本語、算数、数学、英語、アート、音楽、体育からなる「ベーシック学習」が、基礎学力のためのベースとなっています。クラス全体でナビゲータの話を聞くシーンもありましたが、ほとんどは、プリントなどを自分のペースで進め、時折ナビゲータの指示を仰ぐような形で進められていました。「マイ・スタディー」の時間では、自分に合ったテキストを、それぞれが自分のペースで進めていました。学習の進捗については、週1回程度、生徒とナビゲータの相談日があり、そこで進捗状況を確認したり、その後の進め方などを相談する、という形が取られているそうです。

 

LGSでは正解を求めて競うシーンがほとんどないため、それぞれの生徒が周囲を気にしすぎず、自身の学習に集中できているように見えました。ペーパーテストも行われないので、それぞれが自分に合った進度で学習を進めることができます。

 

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●パンフレットより、高学年の時間割例

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自分達で考え、決めることがとても多い

LGSでは、自分で、もしくは仲間と考え、生徒が決めることが本当に多いと感じました。週に2時間ある「プロジェクト」の時間は、個人もしくはグループで、テーマを決め、調べ、まとめ、発表までを行います。「とことん」の時間は、自分の興味のあることにとことん取り組む時間です。今の季節はそりに夢中な子もいましたし、自分がスクールで使う椅子をつくった、という子もいました(工作室には材料、道具が充実しています)。また、プログラミングアプリ「スクラッチ」に熱中していると教えてくれた子もいました。

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(つづきます)

 

 ↓ラーンネット・グローバルスクールのページはこちらです。

www.l-net.com

 

↓その2はこちらです。

arts.hatenablog.jp