キャリア支援の再デザインで、働き方の未来を変えていく! ―関西大学+TSUTAYAによるスタートアップカフェ大阪の挑戦。―その2

みなさんこんにちは!コアネット教育総合研究所の清水葉子です。

前回のブログでは、関西大学さんの梅田キャンパスでの取り組みについてご紹介しました。今回はその環境づくりにフォーカスをしていきます。

 

↓前回の内容はこちらです。

arts.hatenablog.jp

 

「計画された偶発性(Planned Happenstance)」が起こりやすい環境とは

梅田キャンパスで開催されるイベントには、多くの起業家が登壇されるという話を、前回ご紹介しました。起業家を身近に感じてもらうことで、自分ももしかしたらできるかもしれない、やってみたい、という想いを学生たちが持てるようになることを大切にされています。

 

また、こちらで開催されたハッカソンに何度か参加して、プロジェクトをチームで進める楽しさを発見した学生もいます。彼女はもともとそれほど積極的ではないほうだったそうですが、大学でハッカソンのことを知り、プランナーとして参加してみて、大人も参加するチームで、色々な議論をどう進めるかを学び、その結果優秀賞を取ることができました。そう行った経験を通して自己成長を感じることができ、次の段階として、ハッカソンを主催しようと、企画中なんだそうです。

 

彼女が経験したような、自分が予想もしなかった想定外の出会いがあり、その結果自分の得意なことや、やってみたいことを発見したり選択することを「計画された偶発性(Planned Happenstance)」と言うそうです。スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提案したキャリア論に関する考え方で、おそれず偶発性を求めて動くことがキャリア発見のコツだそうで、さきほどの学生さんの動きはまさにこれだと言えますね。

 

偶発性が起こりやすい環境をつくるため、スタートアップカフェで意識されているのは、

色々な立場の人たちが混じった状態をつくること。つまり「産学連携2.0」の状況だそうです。これまでの大学には先生(学)と学生がいて、教える、教えられるの関係性が明確でした。企業と大学の連携があったとしても、研究室単位の限定的なものでした。これからは、産=企業、官=行政、学=大学、金=金融、言=メディアが連携して、できるだけオープンにかつ多層的に連携することで、教える→教えられるの1方向ではなく、双方向で、ともに何かをつくっていけるようになる、というのが、産学連携2.0のねらいです。

 

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外部の人が入ってくる環境でこそ、新しい知見や予期せぬ出会いも得ることができる。起業の支援を受けに来る方も、別の側面では与える側になったりもする。そして梅田という、様々な人たちが集まる場所だからこそ、この環境をつくることができるそうです。

 

先日は梅田キャンパスのある北区をテーマに、北区の未来についてのフューチャーセッションが行われました。今後はますます多様な背景を持った方達がこの循環に参加されるようになるでしょう。

 

それもあり、他の起業支援機関と比べて、スタートアップカフェは相談のハードルを低くされているそうです。起業プランが明確でなくても、起業すると決めていなくても、なんとなく起業に興味がある、という段階からの相談もウェルカム!ということです(財前さんのファッションにはその雰囲気が表現されているそうです!)。スターバックスに来て、またはTSUTAYAに来て、スタートアップカフェを見つけ、立ち寄られる方もいらっしゃるそうで。コーディネーターのみなさんが優しく相談に乗ってくださるので、興味をお持ちの方はぜひ、行ってみてください。

 

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今回取材をさせていただいて感じたのは、スタートアップカフェの目的の明確さと、それを実現するための方法の柔軟さが同居している面白さです。

 

自己のキャリアを考えるにあたり、起業という選択肢を加えること、産学連携2.0を形成することで、キャリアの偶発性を起きやすくすること、が、スタートアップカフェ大阪の目的です。それを実現するにあたり、最初から方針を決めすぎていると、広がりが生まれないと財前さんはおっしゃいます。財前さんの人脈もとても広いのですが、その範疇でのセッティングだけでなく、さらにその外側の弱いつながりをたどっていくことで、新しいネットワーク、新しい機会が生まれ、好循環をもたらすそうです。

 

この、グリップしておく部分と手放す部分のバランスが、スタートアップカフェ大阪を成功に導いていくのでしょう。今までなんとなく面白そう、良いな、と感じていたこの場所の、何が良いのかが理解でき、さらに良いなあと感じることができました。

 

学生の将来を真剣に考えられる大学って、本当に素晴らしいと思います。

財前英司さん、お忙しいところご対応をいただき、ありがとうございました!

 

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