外の視点を入れることで、広報のPDCAサイクルを早く回す。 ―東山中学・高等学校
みなさまこんにちは。清水です。
最近あるテキスタイルに魅せられて、その発信方法を試行錯誤しているのですが、動画を撮影したり、編集したり、投稿サイトにアップしたり、という作業が、とても楽になりましたね。
今日は学校での動画発信の事例をご紹介します。京都市左京区にある、東山中学・高等学校です。
こちらの学校は、もともとホームページの見やすさに定評があるのですが、最近特に力を入れられているのが、動画チャンネルです。
「東山の教育」「入試情報」「クラブ活動」「学校生活」という4つのカテゴリーで、たくさんの動画がアップされています。
プロが制作したものもありますが、大半は校内の企画広報推進室の先生方が作成されたもので、撮影から編集まで、広報の先生方の手で行われているそうです。
中でも珍しいのがこちら。「東山のペッパーがお伝えする Higashiyama News」です。スライドショーに合わせ、Pepperくんが毎月、その月に学校で起きたことを紹介します。こちらも先生方でつくられていて、クロマキー(合成撮影用の青い幕)の前でPepperを撮影し、スライドショーに合成されているというから驚きです。
広報の先生方は独学でこれらの動画撮影、編集の技術を身につけられたそうです。
なぜそこまで校内でされているかを企画広報推進室長の澤田寛成先生におうかがいしたところ、たくさんの動画をアップしたい時に、すべてを外注していると予算的に厳しいというのが一番の理由だそうです。たくさんの動画をアップすると、再生回数という形でダイレクトにホームページ閲覧者の反応が還ってきます。どんな内容を閲覧者が好むかは、直接試してみればよい、というスタイルは、広報のPDCAサイクルを早く回せるし、今の時代にとても合っているなあ、と思います。
校外から見るとすごく魅力的な事柄も、校内にいるとついあたりまえと感じ、良さに気が付かない、ということはどの学校にもあると思います。東山中学・高等学校でも、例えば食堂のメニューなど、先生が「これはそんなに珍しくないのでは」と感じるようなことでも、できるだけアップし、閲覧者に判断をゆだねよう、という方針だそうです。平均閲覧回数はおそらく数百、人気だと1,000回を超えていますので、判断がしやすいと思います。
外の目線を入れる動きは他の部分にも散見されます。
例えば、ポスター制作には生徒さんが関わっていて、制作会社さんとの打ち合わせに同席されるそうです。
こちらは生徒さんが選択された高校のポスター。
こちらは、先生方が選ばれたポスターです。
生徒さんたちが選ばれたポスターに写っているバスケ部の岡田さんは、バスケがうまいことでかなり有名。You Tubeにアップされた試合の動画には、再生回数が4万回を超えるものもあります。岡田さんを起用したことで、中学生から注目を集めるポスターとなったそうです。少し前まで学校を選択する側だった生徒さんたちの目線を入れることも、大切ですね。
先生方が選ばれた案は、150周年のポスターに。こちらは保護者目線での東山のイメージをよく伝えていると思います。
外に開き、意見を取り入れながら、スピード感のある広報をされている東山中学・高等学校。今後の展開もとても楽しみです。
ちなみにPepperくんは2015年の秋に東山にやってきて、外部相談会、出前授業でも活躍中です。こちらの設定や、アプリ入れ込み、使い方のサポートなどは、コンピュータ部の生徒さんが行われたそうです。
こちらは校外の私学フェアで説明中のPepperくんです。
ペッパー君の動画、ホームページでチェックしてみてくださいね。