信じて場に任せること―姫路市立姫路高等学校 探究活動発表会

3月25日(土)に、姫路市立姫路高等学校で行われた、探究活動発表会にうかがいました。こちらは、平成27年からスタートした「探究科学コース」で、年間を通して行われた探究プログラムの成果を発表するというものです。

 

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探究は、高校1年生は基本的にグループでテーマのもとに、高校2年生は個人で、自由にテーマを設定して、進めます。

 

兵庫県立大学、株式会社アンドがプログラム開発、運営に関わられていて、私が昨年度見せていただいた高1の授業では、アンドの小野さんが全体のファシリテーションを、兵庫県立大学を中心とした大学生達がファシリテーターとして各グループに入っていました。全体で共有されたのは、これまでとこれからの検討プロセスのみ。他の時間はチームのためにしっかりとられていたのが印象に残っています。

 

↓その時の授業の様子。全体ファシリテーター、株式会社アンド代表の小野義直さんです。

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探究について小野さんにお話をうかがったところ「僕は何もしたくないんです」という言葉がとても印象に残りました。これは、決して投げやりなセリフなのではありません。探究の主役は生徒達だから、小野さん個人としては何を探究してほしいか、というのはない。用意できるのは、安心安全な場と、考えるためのフレームで、あとは場に任せる、という方針を徹底されているんだそうです。

 

今回の発表を見せていただき、私はそれを痛感しました。

まずこちら、高校1年生の後期、国語班の発表です。

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テーマは流行語なのですが、まず最初の検証、漢詩「春望」の書き下し文とギャル語、どちらがわかりやすいか。ポスターセッションで生徒さんが読み上げてくれたのですが、ギャル語まったくわからず。。。でもこちらのほうがわかりやすいという生徒さんのほうが多いということにびっくり。

 

また、こちらは高2生の後期の探究「住みやすい町について」の中で、外国人50人にアンケートをしたとあったので、一人でどうやって?と質問したところ、海外に行った時に友達になった方数名に、SNS経由でアンケートを送り、その方の知り合いに配布、回収したものが大半だそうです。驚く私に「時代ですかね」と生徒さんからさらりと返されました。。。

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大人はつい、若い人たちにアドバイスしてしまいますが、それは大人のほうがより知っている、という思い込みに過ぎないのかもしれません。高校生に何がうけるかは、高校生のほうがよく知っているわけですし、SNSでのコミュニケーションだって長けているのかも。

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全体発表でプレゼンをした生徒さんの気づきもとても共感できるものでした。

 

「彼ら(生徒さん達)は本当に素晴らしい」というのも、小野さんの頻出フレーズです。場とそこにいる人たちを信じて、任せる。心配性でおせっかいな私には本当に難しく感じるのですが、とても大事だなあとあらためて感じました。

 

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