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中高の美術の授業時数は、試行錯誤をするには少なすぎる!

週末、奈良芸術短期大学の学園祭を見学させていただきました。(奈良芸術短期大学)洋画、日本画、陶芸、染織などのコースがある芸術短大だけに、学生さん達の作品展示がとても面白かったです。もちろんいわゆる作品としてつくられたものも良かったのですが、習作というか、同じ対象のデッサンや、色々な画法が試された作品群もあり、それに心惹かれました。

 

美術やデザインって、一度描いたりつくって終わり、ではなく、やってみて、うまくいかない部分にもう一度トライしてみるとか、色々な技法を試してみて、作品にあった技法を見つけるという、試行錯誤のプロセスが、とても大切だと思います。建築でもエスキス図面、スタディ模型という表現がありますが、何度も何度もつくってみて、より良いものを探っていくというプロセスを踏みます。

芸術系の大学ではもちろんそういったことはできるのですが、却って中高の美術の授業では、どうでしょう?

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文科省ホームページの資料よりグラフ化。単位は時間。

中学校学習指導要領:文部科学省

中学の学習指導要領をグラフ化してみました。年間の時間数でわかりづらいかもしれませんが、ざっくり、国語、数学、外国語が週4時間、理科、社会、保健体育が週3時間、技術、家庭科が週2時間、音楽、美術が週1時間と見ていただけると思います(中1だけは1時間+αという感じです)。私学になると数学や英語が週5時間とか、6時間に増えたりしますが、美術や音楽はほぼこんな状況ですね。高校になると音楽、美術に書道も含めた中から1つ選んで週2コマ、という感じでしょうか。少なっ!

 

この少ない時間内で、同じ作品にリトライできるか、また、いくつか習作をつくって、良いものに近づけられるでしょうか?

 

私は、そういう学校、見たことないです。1年間でいくつかの作品をつくってみて、あとは教科書で美術史や作品を学んで、といったところではないでしょうか。そうなると、美術の時間は、ちょっと美術に触れてみる、体験してみる、という場にしかなれないですよね。数学や英語は宿題も再テストもあったりするので、それも含めると本当にすごい差です。

 

大人になって、なんとなくアートに近づきがたいと思う人が多いって、実はこのあたりの影響もあるのではないでしょうか。

 

他の教科とのコラボでそれを解消しているケースもありますが、日本全体で見ると、こんな状況です。試行錯誤する力を育てる機会を、もったいないなー、と思ってしまいます。